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週刊介護情報(H27.12.4)第168号

2015-12-04

◆介護施設 20年度までに50万人分整備 1億総活躍会議緊急対策
介護離職ゼロに向け特養など12万人分を上乗せ整備 

 

――厚生労働省

政府は11月26日、「1億総活躍国民会議」を開催し、「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策案」を議論し、緊急対策を取りまとめた。「新3本の矢」に関する「GDP600兆円の強い経済」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」の実現へ緊急実施対策を打ち出している。この中で新三本の矢の目標の一つに位置付けられている「介護離職ゼロ」対策の目玉は施設整備だ。2020年度までに約50万人分を整備する目標を打ち出している。

緊急実施対策では、医療・介護関連で「介護離職ゼロ」に向けた対応として、2020年代初頭までに、介護サービスが利用できず、やむを得ず離職する人をなくし、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)に入所が必要であるにもかかわらず、自宅待機している高齢者を解消するため、現行の介護保険事業計画等での約38万人分以上の整備を加速化。介護施設、在宅サービス、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備量を約12万人分前倒し・上乗せして約50万人分以上に拡大すると述べている。

また、用地確保が困難な都市部では、賃料減額など国有地活用や用地確保の負担軽減のため、支援を充実させるほか、施設に関する規制緩和で介護施設などの整備を促進。さらに、サ高住に併設する地域拠点機能の整備も支援するとしている。

このほか、対象家族1人につき93日取得可能な介護休業を分割取得できる制度見直しを検討。介護休業の前後で所得を安定させるため、介護休業給付の給付水準(40%)を、育児休業給付の水準(67%)を念頭に引き上げを検討する。「希望出生率1・8」も緊急対策の目玉となっている。

ただし緊急対策には財源確保や、核となる人材確保のための処遇改善策が盛り込まれていないこともあって識者や介護施設関係者等からは「実現への道筋は示されていない」との不満の声が出ている。

 

なお、塩崎恭久厚生労働大臣も資料提出し、介護離職10万人中、6万人が仕事を続ける希望がありながらも、やむを得ず離職していると説明。このうち1.5万人は介護サービスが利用できず離職している。そこで、離職防止や在宅の特養待機者15万人解消に向け、在宅・施設介護サービスの整備対象に定期巡回・随時対応型訪問介護看護を加え、サービス10万人分を前倒しして整備(4万人分追加)する上、サ高住を2万人分整備する。このため、財政支援を実施するとしている。

 

◆平成 27 年 9 月末現在 国民年金保険料の納付率
納付率63%、3年連続増加とはいえ低い納付率

 

――厚生労働省

厚生労働省では11月27日、平成 27 年 9 月末現在の国民年金保険料の納付率を取りまとめ公表した。このデータには、未納分を遡って納付できる過去2年分を集計した「平成 25 年度分の納付率」、「平成 26 年度分の納付率」と、平成 27 年 4 月分から平成 27 年 8月分までの保険料のうち、平成 27 年 9 月末までに納付された月数を集計した「現年度分の納付率」をまとめている。

納付率とは、被保険者が納めるべき保険料のうち実際に払われた割合を示す。発表によると平成26年度の国民年金保険料の納付率(現年度分)は、平成26年度末時点で63.1%。これを前年度と比較すると2.2ポイント増で3年連続の上昇だが手放しで喜べる実情ではないのは納付率の低さだ。

というのも低所得などで保険料を免除・猶予されている人は納付率の計算から除外されていることだ。したがって被保険者全体で実際に納付された割合を計算すると40.6%と前年度からほぼ横ばいだった。

 

国には、日本年金機構(保険料払い込み機関)が個人情報の大量流出を発表してから、未納者への催促状の送付や強制徴収などを自粛しているという事情がある。2011年の調査では納付しない理由の3.2%が「厚労省・年金機構が信用できないから」だった。流出問題で不信感を抱く人が増えれば納付率が下がる可能性を否定できない。

原因にはこれ以外にも国民個人の生活状況や公民意識の問題などもあるが、根強い「年金不信」から国民の多くが脱しきれない状況を無視できないようだ。しかしこの国税を滞納すれば、結局、強制徴収が待っているばかりか、たとえば20年以上も保険料を払っていても滞納してしまうと25年までに1年でも不足すると、いつまでも受給資格はないから「掛け捨て」みたいに大損となる。財産差し押さえなどの罰則を受けると家族にも迷惑が及ぶことになる。

 

厚生労働省発表は次の通り(要約)。

▼過去3年間(平成25年~27年)までの納付率

(注1)平成 25 年度分(過年度 2 年目)の納付率:平成 25 年4月分~平成 26 年3月分の保 険料のうち、平成 27 年 9 月末までに納付された月数の割合。  (注2)平成 26 年度分(過年度 1 年目)の納付率:平成 26 年4月分~平成 27 年3月分の保 険料のうち、平成 27 年 9 月末までに納付された月数の割合。  (注3)数値目標は、いずれも日本年金機構平成 27 年度計画による。(注4)数値は、それぞれ四捨五入しているため、下一桁の計算が合わない場合がある。

 

▼国民年金保険料の納付率について (平成27年9月末現在)

(参考)強制徴収の実施状況 最終催告状 督促状 財産差押

27 年 4 月分~9 月分 6,052件 1,986件 1,933件

26 年 4 月分~9 月分 43,275件 17,623件 6,540件

※最終催告状…前年所得等を基に選定した強制徴収の対象者に対し、納付書とともに送付する催告文書。 記載した指定期限までに納付を求め、指定期限までに納付されない場合は、滞納処分(財産差押え)を開始することを明記している。

※督促状………最終催告状送付後、指定期限までに納付されない者に対し納付を督促する文書(国税通則 法)。督促状の指定期限までに納付されない場合は、滞納処分が開始され、延滞金が課せられるほか、滞納者だけでなく連帯納付義務者(滞納者の世帯主や配偶者)の財産差押えが実施される。(国税徴収法)

 

◆「第4回健康寿命をのばそう!アワード」(賞)、表彰
厚労省 受賞企業・団体・自治体から125件決定

 

――厚生労働省

厚生労働省では、「第4回 健康寿命をのばそう!アワード」の表彰対象(団体・企業等)が決定し、厚生労働大臣最優秀賞1件他、各賞が選ばれ表彰された。

厚労省が主管する「健康寿命をのばそう!アワード」賞は、国民の生活習慣を改善し、健康寿命をのばすための運動「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として実施し、今年で4回目を迎えた。従業員や職員、住民に対して、生活習慣病予防の啓発、健康増進のための優れた取組をしている企業などから 125 件(企業 45 件、団体 41 件、自治体 39 件)の応募を受け、有識者による評価委員会による書類選考及び表彰式当日のプレゼンテーションにより、厚生労働大臣最優秀賞1件、厚生労働大臣優秀賞3件、厚生労働省健康局長優良賞12件、厚生労働省保険局長賞2件を決定し、表彰を行った。

 

▼受賞団体等は次の通り(一部割愛)

【厚生労働大臣 最優秀賞】(1件)

●立命館大学父母教育後援会 「100 円朝食による学生の健康管理、生活リズムの維持活動」

 

【厚生労働省 優秀賞】(3件)

<企業部門>

●株式会社デンソー/デンソー健康保険組合
「データ DE コラボヘルス ~社員と家族の健康づくり活動への取り組み~」

<団体部門>

●全国健康保険協会 広島支部
「ヘルスケア通信簿で「今」を知り、「未来」を創れば健康経営危うからず~コラボヘルスで目指せ 長寿企業~」

<自治体部門>

●茨城県 「『シルバーリハビリ体操指導士』による住民参加型の健康づくり・介護予防事業」

 

【厚生労働省健康局長 優良賞】(12件)

<企業部門>

<団体部門>

<自治体部門>

【厚生労働省保険局長 優良賞】(2件)

 

《介護予防・高齢者生活支援分野》

地域包括ケアシステムの構築に向け、地域の実情に応じた優れた取組を行っており、かつ、それが個人の主体的な取組の喚起に資するような取組を行っている企業などの53件(企業6件、団体25件、自治体22件)の取組を対象に、有識者による評価委員会で審査・選出された取組事例から厚生労働大臣賞、厚生労働省

老健局長賞の表彰を行った。

 

【厚生労働大臣 最優秀賞】(1件)

 

【厚生労働大臣 優秀賞】(3件)

<企業部門>

<団体部門>

<自治体部門>

 

【厚生労働省老健局長 優良賞】(8件)

<企業部門>

<団体部門>

<自治体部門>

 

◆初の介護タクシー全国組織、日本福祉医療輸送機構を設立
東京五輪見据え、利用者の「利便性向上」などを目指す

 

――内閣府

全国初の介護タクシーの全国組織「一般社団法人 日本福祉医療輸送機構」(JWMTO=ジェウント)が設立され、設立総会が11月23日、東京都内で行われた。略称・ジェウントは幹事団体14社、約2200事業者でスタート、本部事務所は東京都墨田区区内に置く。初代理事長に関澤俊夫氏(一般社団法人 東京福祉限定輸送協会 会長)が就任、副理事長は次の4氏が決まった。田中義行氏(特定非営利活動法人 日本福祉タクシー協会 会長)、中岡和夫氏(西日本介護タクシー協同組合 会長)、村越信一氏(一般社団法人 福祉移送ネットワークアイラス 理事長)。

ジェウントは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて国内外からの高齢者の増加を見据え、利用者の「利便性」「安全性」の向上を目指す全国最大の介護タクシー組織となる。

また、介護タクシー団体以外にも協力企業、スポンサーとして、タクシー業界においてIP無線の実績が多い西菱電機株式会社(兵庫県伊丹市)、ソフトバンク株式会社(東京都港区)やオリジナルグッツ製作の株式会社スカイロードジャパン(東京都豊島区)など、複数社が参加する。

国土交通省の「移動等円滑化の促進に関する基本方針」(平成23年3月改正)のひとつに、14,415台(2014年3月末)の介護・福祉タクシーを、2020年度までに28,000台に増やす目標がある。「ジェウントはその助力になるべく、介護タクシーの台数増加に関しても全力を尽くす」としている。さらに、有事の際に出動できる民間救急としても介護タクシーは活躍でき、国民の生活を守るインフラとしても活動することを定款に盛っている。

 

・利用者の利便性向上 ・利用者の安全確保 ・介護タクシーの知名度向上
・行政への提案、提言 ・介護タクシー雇用の確保 ・業務の効率化

◯所在地

東京都台東区竜泉2-6-9ジュネシオン竜泉101
TEL:03-5849-4199  FAX:03-5849-4210
mail:jwmto@positive-it.co.jp

 

「日本福祉医療輸送機構 JWMTO(ジェウント:Japan Welfare Medical Transport Organization)」は、全国の福祉・介護タクシーの事業者団体が結集して、年々需要を増す、利用者の「安全」・「安心」・「快適」の確保と、「利便性」「スキル」の向上を目指した、国内で活躍する事業社団体が上部組織として位置づける、国内初の福祉医療輸送機構。

行政との交渉は勿論、インフラ整備確立の実現を目指す「日本福祉医療輸送機構ジェウント」の運営には、運営するための資金が不足している現状がある。福祉・介護タクシーの事業は、超高齢化社会に対応する移動手段として、重要な事業となる。行政や企業等、個人の支援等が本格的に議論される機会がきている。

福祉輸送事業限定の特徴は、障碍(がい)者の利用、高齢者の利用を中心に、個人事業主の事業者が対応することが多く、大型車両が多いのが特徴の一つ。民間救急車の代行ができる(法的には未整備)メリットが想定できるが、流し営業(街角で拾う)と待機営業(電話等をして待つ)は現法制下では禁止されている。

2020年に開催される「東京オリンピック・パラリンピック」をひとつの目標として、バリアフリー・ユニバーサルデザイン化が盛んになっている。高齢者を含む移動困難者は全国的に年々増加の一途をたどっているにもかかわらず、福祉・介護タクシー輸送事業のインフラ整備はまるで整っていないのが現状。このままでは移動困難者の「移動する手段」が必要不可欠で、公共交通機関としての福祉・介護タクシーの社会的認知度がまだまだ低迷している現状の解決が急がれている。